デスクワークと健康リスクの関係

人の身体は、動くことで代謝を保つ機能がある。
オーストラリアにて自国の45歳以上の男女22万人を調査し、3年間のなかで死亡した人の生活スタイルを詳しく調べた所、座っている時間と健康状態に深い関係があることが判明した。
1日に座っている時間が4時間未満の人と比較し、11時間以上座った状態の人の死亡リスクは40%も高まっていたのだ。

デスクワークで同じ姿勢を長く続けることで、代謝機能や血流に悪影響を及ぼしてしまう。
人間は立って歩くことで大きな筋肉である足を使い、これによって筋肉は血液中の糖や中性脂肪を取り込んでエネルギーとして消費する。
ところが座っていると身体全体の代謝を行う足の筋肉が休んだ状態となり、筋肉に取り込まれ消費されるべき糖や中性脂肪は血液中に留まって過剰となってしまう。
さらにや同じ姿勢で動かないために血流も悪くなり、血液そのものもドロドロになる。
その結果、心筋梗塞や狭心症、糖尿病などの病気を発症しやすくなる。

日頃動いていると感じていても、実際に測定すると平均10時間程度は座っているという結果がある。
デスクワークなどで座った姿勢が長い人ほど、肝臓ガンや慢性閉塞性肺疾患のリスクも高くなるとの研究結果が報告されているのだ。
これらの病気のリスクを少しでも軽減するには、少なくとも30分から1時間に1度立ち上がり身体を動かすことが重要になる。
座りすぎに配慮し、デスクワークも高さを調節して立ったまま行えるようにしている企業も多い。

このように座っている時間が長い人は、デスクワークが招く健康リスクの軽減方法を常日頃から意識しておくべきである。